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生活創造建築家 タナベアツシのブログ 2006年2月

キッチンの設計と男性の建築家

なーんて 題名をつけてみたりしましたが(笑)。

 建築家は建物や町など さまざまなデザインをするわけですが、私にとって設計の基本である住宅設計は”建築オタク”には絶対できない と思っているのです。

 なぜこのイタリアのド田舎に来て もう一度デザインの勉強や 修復の勉強をしたいと思ったか、金にもならないデザイン活動をしているのか?  もちろん絶対的な答えはまだ出ていないんですが、 おそらく たぶん、
生身の人間の生活を本当に体験してみたい!”

という気持ちからなのかなあ と まとまってきました。

 私、住宅設計において大切だ と思うのは、一人一人の住み手が毎日毎日どのように生活していくか ということ。もちろん、予算や その土地を読んだり、大切なことはたくさんあります。 それは建築家であれば 技術者として”やらなければならないこと”。
 でも、たとえば 設計が好きで、一日中事務所にこもって机上で考えて ”3度の飯より建築がすき!”などと言って ワーカホリックになって自分の生活すら見直さない建築家に 自分の大切な一生物のおうちを依頼できますでしょうか?

 建築家にとって 基本的に建物の技術的なスキルはもちろん必要です。 でも 建築家本人が ” 寝て””食べて””愛して”? ”風呂入って” ”大好きな人たちと飲んで騒いで”建物はなぜに必要なのか? 何が大切で気持ちいいか? 気持ちよくするにはどういうものが必要なのか? 何が不要なのか? 生身の人間として考える事が大切だと信じています。

 その中で キッチンの設計は 特に重要。こと男性建築家にとっては大変な課題です。

 1 買い物
 2 準備 
 3 調理 と その際の片付け
 4 振る舞い と その片付け
 5 食事 と その片付け
 6 全て片付け
 7 幸せ!

以上、このような素敵な幸せを守るキッチンデザインと考えると、実際に男性建築家がキッチンでの行動全てをわかっていないといけません。
 また、これが家族の毎日であるわけで、たまに”オヤジのカレー!”を作って 散らかしっぱなしにしているわけにもいきません(笑)。

いかに
”予算を削っておいしいものをたらふく食べるか”
”栄養バランスやその調理法”
”お皿の数を減らして片付けを省くか”
”楽にいろいろな行動がキッチン内でできるか”
”残ったら明日にも有用できるか”
などなどなどなど、 キッチンは一番考えなくてはならない事だらけ。また主婦であるマンマは おそらくここが一番のポイントなのかもしれません。
 もちろん 掃除しやすい 洗濯しやすい いろいろな家事があるでしょう。 
 しかし男性建築家で 上記の内容を 主婦の方と対等に語れる人が何人いるか わかりません。
 でも 私はその一人になりたくで いまでも妻kの叱咤激励をいただきながら おいしいワインと食事を毎日5ユーロ(3食で700円 ワイン込み)でやっております(笑)。
 今は、妻kが料理を作ると 私のサポートに、 私が料理を作ると妻kが 妻のサポートに。 何がどうなってああやって というキッチンでの行動が かなり明白になってきました。
 最近ではイタリアマンマからの洗礼(?)もあり、ますますキッチンが面白くなっているこのごろです。
 また、20代の頃の寺尾三上建築事務所での設計活動は 私にとって非常に重要でした。なぜならほとんどが女性の建築家。ほぼ全員、主婦です。 主婦の立場としての住宅設計を学ぶ環境が整っていました。男性として建築家を目指していた私としては、本当にありがたいことでした。
 今でも キッチンの設計は 本当に楽しいです。これがうまくいくと なぜか他の部屋や空間も うまくいくのです。

 男性でも、”主婦の目でもってしても本当にキッチン設計できる建築家”になって 帰国いたします。


白い丘上の城 オストゥーニ

更新が滞っておりました。
今回は 以前に行った アルベロベッロから東の町 オストゥーニ。



この町はアルベロから約45kmほど東に行った オリーブ畑の丘の上にあるのですが、 下から町全体を見ると まさに”白い巨城”! 中世の城壁には真っ白な石灰が何度も塗り重ねられ、青空との対比がものすごく綺麗な外観をしています。

プーリア州内陸の町としては大きい方で、近代的な新市街と この白い旧市街とで成り立っています。



旧市街の中は、容易に敵に攻められないよう、幅2,3mの道から入っていきます。入るとすぐに曲がり角。さらに曲がり角。 次に階段。 と、町全体が敵からの拒絶感満載の旧市街です。



この町、本当に綺麗に いまでも真っ白にしています。城壁も完璧に残っています。
 ここの気候は 毎日晴天! ではないので、昔から雨を流す機能を備えているみたいで、町の中心に進むにつれて標高が高くなり、城壁には町全体の雨が外に流せるように 巨大な樋”とい”がいくつも設置されています。 一番上の写真、白い壁にぽつぽつ見える灰色の石がそれです。



ですので、街中階段、坂だらけ。というか 水平な道がほとんどありません。 で 全て真っ白! ここまで白く維持していくのは 大変ですよね。 石灰を塗ることで 古い建物も長持ちしていくのです。
 この町の料理は またアルベロベッロと違った味付けです。 牛の内臓を使った料理や チーズ サラミなどの味付けも違う。
この辺りの料理は”町ごとに エリアごとに違う”といわれるほど いろいろあるみたいです。
 といってもねえ オリーブオイルとトマトと豚肉 チーズなどの基本的材料は一緒なので 少しずつレシピが違う というところですね

石灰についてですが、イタリア プーリア州の石灰事情について 4000時ほどの記事を 以下雑誌に掲載予定です。もしよろしければ ご一読していただくと私も嬉しいです。

黒潮社 ”左官教室” 3月号 特集 イタリアの石灰事情

この雑誌は 専門雑誌ですが、日本の漆喰の文化なども丁寧に取材している面白い雑誌です。

宣伝 以上。





大雪だあ!

 風邪が治ったかと思ったら、アルベロベッロに大雪が降りました。15cm~20cmの積雪。 2日間降り続けました。
 最初の2時間で5cm近く積もった雪。ものすごく軽くて雪だるまも作れないくらい、乾いている雪でした。こんなの久々!

 大雪の中、夜中に撮りに行った写真です。どうぞご覧ください
おそらく今回のアルベロの雪、このブログでしか 見れない貴重写真ですよ



誰もいない(当たり前!?)トゥルッロ地区に一人写真を撮る私。 なんの音もしない、ただ真っ白の世界が広がっていました。