HOME > 生活創造建築家 タナベアツシのブログ > アーカイブ > 2006年3月

生活創造建築家 タナベアツシのブログ 2006年3月

ターラント海の真珠 ガッリーポリ

妻kが学校のあるレッチェに週末泊まる とのこと、私も付いていく事にしました。
金曜日、土曜日で レッチェのお知り合いのお家を一泊お借りできることになりまして、レッチェを楽しんだ次の日、ガッリーポリGallipoliという港町に行く事にしました。



 妻kの学校のお友達、kさんと3人です。

このガッリーポリというところは、 アドリア海ではありません。イタリアの“土踏まず”の部分 ちょっとかかとに近い海岸にあります。
 アルベロから日帰りはちときついので、レッチェ一泊は ちょうどいいのです。

 旧市街は いつものごとく海に面しております。が、ここはもう少し激しく、三角に突き出した岬全体が旧市街になっており、180度以上の水平線が見渡せるというロケーションが素晴らしい!
 ちょうど晴れていたし、2月でも温かかったので とても散歩には良い日でした。ちょっと風は強かったけど。



こんなにきれいな海 久々に見ました。 アドリア海も綺麗ですが ターラント海(イオニア海)もきれいですねえ。



 ここは建物としてはたいしたものはなく、なにしろ魚介類の大好きな3人は昼食を取る事に。
 これですこれ。



 前菜の盛り合わせですが、
トンノ(マグロかカツヲと思う)←絶品! やわらかくて ほわほわ!
タコレモン ←意外とやわらかい
エビの刺身←甘―い! レモンが邪魔
ムール貝のパン粉焼き ←うまかったけど 普通の蒸したほうが好き
などなど。 実は 私、このとき体調が悪く、プリモに辿り着けませんでした。残念。
でも トンノの煮込みはいまでも覚えています。すごい絶品でした。

とにかく 港町は お魚がおいしいので 本当にいいですね。
もうひとつ 海辺にあった 外で食べられるレストランがあって、そこではウニとカニが食べられそうでした。 これも今度行ってみよう。

マンドゥリア(赤ワインで有名です)、ターラント(旧市街が島になっているのです)などを経由して アルベロベッロに戻りました。

体調を回復した私は ターラントで買ってきたムール貝を 単なる塩蒸しして食べ、ガッリーポリでの食べれなかったパスタの後悔を埋めるのでした。

孤独な居城 カステルデルモンテ



カステルデルモンテ。


プーリア州3大世界遺産のひとつです。
フレデリック王の別荘(狩の館)だったそうで、綺麗な8角形をしています。



中は8角形のがらんどうで、こうやって穴が開いてる状態です。
巨大な光庭 というところでしょうか。

アルベロからは少し離れているので、2月小旅行の際にいってきました。

石灰岩、大理石などを組み合わせたこのお城は、みるからに頑丈かつ安定しています。
山の上に建っているので、遠くからその姿を見る事ができます。つまりその逆も可能で、お城からは見渡すかぎりのブドウ畑。近郊の町アンドリアAndria は おいしいワイン オリーブオイルで大変有名です。

プーリアは 石が豊富なので、住宅の屋根さえも石のアーチ“ヴォールト”でできています。フィレンツェやヴェネツィアなど以北の町の建物は 屋根は木造だったりします。その点プーリアは石の屋根架構が発達しているところです。



 このカステルデルモンテ も 例外ではありません 屋根も壁も全て石。ですが、石の組み方がプーリアのものと違い、中部イタリアのものに近いです。時代背景もけっこう新しく、発達した石の使い方を見る事ができます。 ゴシック以降(1400年以降)なんですね。
そう、そうでないと こんな大きな 重たいお城の中が こんなに大空間が作れないのです。 
ただ、 こんな大きな建物をこんなヘンピな山の中に建てて、寂しき王様だったのかしら とも思ったりします。 孤独なお城だ と思うのでした。
強風も孤独をかきたてるのでした。


綺麗だし、すごい建築遺産だと思いますが、もういいや
アルベロベッロみたいに 農民が知恵を絞って建てた建物の方が 私には美しく、素朴に見えます。

カビ退治!

もうそろそろ冬が終わりそうです。
今日なんか、15,6度で 晴天。ようやく南イタリアの“表の姿”が顔を出しそうです。
今年は本当に寒かったらしく、3月まで厳寒だった日は 通年ではなかなかないそうです。ようやくです。よかった。

冬で困ったのは 気温だけではありませんでした。
冬 湿気ているんです。 つまり、アフリカからの湿気た風が吹くと、町中一気に湿気ちゃう。 壁でできている石造りの建物はあまり換気ができないし、煮炊き、人の呼吸なども影響しておきるのは そう

カビ。

しかも このカビ 最初のうちは(12月上旬)“まあ 自然素材なんだから カビが生えたってしょうがないじゃない。 カビの生えない壁の方が怖いよ”などとノンキなことを言っていましたが、1月、2月は うんざりするほど この壁のカビ退治に奔走しなくてはいけませんでした。
 また 私も妻kも 日頃けっこう忙しいので、天気のよい週末を狙って(来客なし)退治しなくてはいけない、そのうちどんどん増えていく この繰り返し。
しかもなぜキッチンに換気扇がないのか こんなに分厚い石の外壁なのに 結露するとは! そこからおかしいんですけどね。

意を決して だいぶ温かくなったんだから と 先週末 がんばりました。
とにかくひどいんですよ。 これです。



こんなに壁全面が真っ黒。そう、外壁が冷やされて結露し、室内は温かいから すぐにこんなになっていまう。



窓の下もカビゾーン。 そう、建築用語で こういう断熱効果が必要な外壁周りのことを”ペリメーターゾーン”といいます。ペリメータに限って こうです。 体感。

最初はお水に洗剤つけてふいたり 水がだめかもしれない といううことで 乾拭きしたり、いろいろな方法を試してきた二人。家族のニネッタママに聞いてみたら、こういうことでした。

1 冷たい水で雑巾でとりあえずおおかたのカビをふき取る
2 ダッシュ(洗濯洗剤)とアーチェ(漂白剤)を40度くらいのお湯で溶かし、ごしごしふき取る(お湯なので、水分は自ら蒸発 漂白剤のみ残る)
3 次の日 カビの菌はだいたい死んで、漂白される

とのこと。 へー トゥルッリの内壁は もしかして漂白剤の白さなのか、と いままで石灰の白さに感心していた私はいったいなんだったのか と思いつつ、実行してみました。


とにかく一苦労でした。
でも まずまず。



こんな感じに。
次の日の写真です。 まあ、黒い部分も残っていますが、だいぶ落ちましたよ。
1年に一回 隣町では壁に石灰(しっくい)を塗る という法律があります。
それはもしかして “冬のカビを見えなくさせるため”でもあるのかもしれませんね。

とにかくひさびさに気持ちの良い風が室内を駆け抜けております。
早くやればよかった。
ケミカルも使いよう ですね。
後に ニネッタの息子に“防カビ剤 塗ったか”と聞かれました。

しっくいの上に やはりそんなもの 塗るんですね。
防カビ剤が世界遺産の建物を守っている のかも しれませんね

プーリア屈指の軍港、漁港 トラーニ

3月は どこでも忙しいんですね。
3月上旬、ものすごく忙しく、はじめてイタリア人が残業をする姿を見ました。
イタリア人が毎日午前3時まで働くとは! この格差、びっくりしますね。
だいぶ研究も設計協力もおちついてきたので、 まとめてブログが書けそうです。


さてさて、 トラーニ という町ですが、2月の下旬に実父、妻k、父の友人で大学の建築学科名誉教授と4人 という妙なメンバーで小旅行をしました。
今回の旅行で はじめてのホテル! 4ヶ月ほど、日帰りばかりでした。



この町、バーリから50kmほど北に位置する町です。 港町。
よくアルベロのみんなから“トラーニは綺麗だよ!”といわれていたので 絶対に行ってみたい町でした。ただ、日帰りではちょっときついので、父の財布を期待しつつ、案内がてら 観光です。
到着したときは夕方で 小雨が降り続いているあいにくの天気。天気男の父も ムルジア台地の冬の天候には勝てなかったようです。
このあたりは石灰岩の名産地で、アルベロベッロ周辺よりは歴史は浅いらしいのですが、とにかく白く 美しい石が取れるそうです。よくタイルにして使います。

まず、日没後の紺色の空の中、中心地と海を見に。
とにかく住みやすそうな 清潔な 怖くない町 という印象でした。
海の港町は イタリアでは特に“アラクレ”な感じの町が多いのですが、ここは違う。



旧市街もものすごく綺麗で ゴミひとつ落ちていない。

海辺に建つ ドゥオーモへ行ってみると、やはり石灰岩がとても良質なのか、綺麗な白い、しかもバランスのとれた“プーリアスタイル→ホームベースをひっくりかえしたような正面の ゴシック以前の様式で 中央にバラ窓がある”の教会。 鐘楼とバランスよく建てられていて 品がありました。



ここは また 漁港であるため、魚介類中心の食文化のある町(これも重要!)。
期待して食べに行きます。とにかく ウニが食べたいのです。

残念ながら ウニはありませんでしたが、シラスのフリット、カジキマグロのカルパッチョ(これは絶品!)、タコのマリネなどの前菜と、魚介類のリゾットを食べ、大満足。
アドリア海は本当に魚介類が新鮮です。 

雨だったのが残念でしたが、また今度 夏に来てみたい。 電車も通っているし、お勧めですよ。



貧乏パスタ2品!

 イタリア生活で学んでいるものは、建築やこっちの生活スタイルだけではありません。というか むしろ、いかに”限られた食材と予算ですばやくお皿もたくさん使わずにおいしいものを作るか”ということも 大切で切実です。

 まず、 こちらでの収入はほぼ期待できません(政府から給費をもらっていますが、2人で生活するには厳しいお金ですので、貯蓄をけずらなくてはいけません)。 ので、滞在にかかるお金を大きく考えて、逆算。 そうすると、1ヶ月にかけられる生活費が予測できてきます。
 すると その中で食費にかかるもの、洗剤やトイレットペーパーなどの生活品、車の保険 家賃などなど、 だいたいわかってきました。
 もちろん イタリア製のものは安く、イタリア以外のもの(フランスワインなど)は高い、 地元のワインはものすごく安くて ものすごくおいしい! など考えていろいろ選んでいきます。

ここでは 日本に帰っても応用できそうな(!?)我々の”おいしい””安い”御飯生活を少しご紹介。

 我々二人は 毎日の晩酌は イタリア人との接触で疲れた一日を洗い流すために必ず必要なので(苦笑)、これはしっかり確保すると、 一日にかけられる食材は300円から500円 になります。

 そこで 貧乏なパスタ として よくやるもので おいしいものを二つ。


1 ツナのパスタ


ツナはこちらも日本も1缶100円前後で、二人で1食1缶で作ります。

食材

 にんにく 1かけ
 サラダ油(オリーブオイルではありません!高いから)
 トマトピューレ(こっちはソースが格安で売ってますが、日本なら1缶100円のものを2/3も使えば十分)
 唐辛子 1本
 粉チーズ
 パスタ(お好みで スパゲッティー ペンネ マカロニなど)
 のみ。

まず にんにくを縦にスライス(つまり球根の断面が現れるように)し、オイルをフライパンに少量加え にんにく投入。そこではじめて火にかけます。

にんにく臭がしてきたら、トマトピューレを入れます。
パスタは塩を入れたお湯でゆでます。

その際 パスタのゆでるお湯をソースに加え のばします。
ソースは10分中火。

パスタがゆだる直前にツナを加え、塩コショウであじを整え 火を止めてから粉チーズを入れてかきまぜておきます。

パスタをからめて 終わりです。
約10分で できます。 日本でも 二人分で250円(光熱費こみ)でできるはず。ここに1個8円の卵を投入しておけば、パスタのお湯のエネルギーで ゆで卵。 これで270円です

2 アンチョビとケッパーのパスタ

アンチョビとケッパーは 日本では少し高いですが、それでも安くあがります。 なんといってもこの二つ以外 なにも使わないのですから。

食材
 アンチョビ4つ
 ケッパー 15つぶ つまり 1瓶12枚ほど入って300円のアンチョビ、2食2人で100円です。ケッパーも同様。

サラダ油(ここでもオリーブは不要)

油をフライパンにかけ 弱火でアンチョビを炒めます。こがしてはなりません。 香りが出てきたらひをとめ、ケッパーを入れます。余熱で乳化します。
パスタをかためにゆで、フライパンに投入、再び火をつけてからゆで汁を加え、塩コショウであじを整えます。

以上!
10分でできます。 スパゲッティーがおいしいですよ。
二人分で250円でできるはずですよ。

おためしあれ。

1

« 2006年2月 | メインページ | アーカイブ | 2006年4月 »

このページのトップへ