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生活創造建築家 タナベアツシのブログ 2006年8月

最後の朝市




今日は8/24の木曜日。綺麗な空とさわやかな風が吹く、静かな朝です。

木曜日は アルベロベッロに朝市が立つ日です。
気持ちがいいので 散歩がてら見にいきました。




アルベロベッロの朝市は 洋服、雑貨、キッチン用品、新鮮な食材などが買える、とても便利な市です。

 そして今日の朝市は 今回の滞在の最後となりました。
我々の生活を支えてきてくれた朝市。また戻ってくるとは思いますが、しばし別れるのはちょっと寂しいですね。

 今夜アルベロベッロを出発し、一路ローマへ。
いろいろなことのあった10ヶ月半でした。
 帰国後またお伝えしたくて書いていないことなど 書き続けますね。


食べ物と建物 10ヶ月間でいろいろ感じたこと

 ここ 南イタリアのド田舎観光地 アルベロベッロにやってきて 10ヶ月が経ちました。
 すぐそこに帰国が待っています。

 ここで”10ヶ月前から比べて 自分はどうなったか?” と考えると たくさんの事が思い浮かびますが、今回は身体的に変化したことについて。

1 皮膚が強くなった! 私、実は少しアトピー性皮膚炎でして、日本にいるときは (特に夏!)顔が赤くなったり背中がかゆくなったり けっこういつも痒いんですが、イタリアに来るとだいたい2週間でかゆみがピタっと止まります。

2 髪の毛が硬くなった! あまり嬉しくないんですが(笑)、髪の毛が硬くなったような気がします。

3 足が細くなった! これはきっと この田舎町では良く歩くので 良い運動になったのでしょうね

4 寝起きがよくなった!
 夜 お酒を控えて寝ると明らかに翌朝の健康が違います。

5 二日酔いが激減した! なぜでしょう ?
体が慣れただけなのか?

そしてそして、
6 体重が4kgも減った!! 出国時に 皆に”イタリアなんだから さぞかし太って帰ってくるでしょうね”とさんざんからかわれておりましたが(笑)、 かえって体重が落ちましたよ!そういえば 体が軽くなったような気が。

なぜか?
 おそらく 食生活と規則正しい生活、そしてエアコンのない 自然素材で作られた建物にまみれ そして良い食材を摂取していたからでは? と思います。
 こっちの食材は本当においしいし、変な添加物もなし。目の前で売っているオジチャンの手作りハムは出所がはっきりしてる。
 ワイン チーズ その他野菜も 肉だって 素材がとても良い!のです。
 そして 夜食をとらない、日本のような飲み会がない、飲み会のあとのラーメンがない、お水はミネラルウォーターだし、”体に入ってくるものが良い”のではないかと 思います。

 もう一つは、 建物も気候に合っていること。こっちは自然石積に 石灰を塗った完全天然素材建築 が多く、熱を蓄える容量が多いので、冬は暖かく 夏は涼しいんです。外壁はだいたい80cmほどあって、中に入るとヒンヤリ。洞窟に入ったみたいな感覚です。
 日本 東京では夏場すぐにエアコンをつけてしまう私。ここに来ると エアコンなんて本当に必要ありません。今日も気温40度ですけどね なんとかなります。

ということで 体の調子が日本よりもよいのでした。
この習慣や 建築から学ぶ快適さは 日本でもどんどん紹介していきたいですね。


イタリア人の血液型

 7月、私はものすごく”蚊”にやられました。
こっちの蚊は 小さくて 網戸もくぐれるほどのものもいます。小さいものほど、かゆいです。
 一晩に20箇所もかまれ、その次の日からすごくかゆくなる、性質の悪いもの。蚊って 失礼ですよね。人の血をタダで吸っておいて、その上かゆくなるんですからねえ無礼ですよね。

 私は日本ではあまり蚊に襲われないので、イタリア人の血はよほどまずいのか と思い、いろんな友人に血液型を聞いてみました。

 聞いてみたイタリア人の半分は ”自分の血液型をしらない!” これは宗教的なものなのかもしれませんねえ 誰か教えてください。
 で 統計をとると”O型が圧倒的に多い!”
 少ないのは”A型!”

 うーん なんとなく 彼らの行動を見ると O型だなあ と思うことが多いし、ああそういえばA型っぽくないよなあ とも思いました。 日本人がイタリア人に対して”適当だ”とか、”勝手に決めて自分で進んでしまう”とか ”最後まで待たされて ハラハラさせられる”なんて思うのは、A型の多い日本国民故でしょうかねえ 血液型って けっこう当たるんですね

 で 私はというと 私もO型(笑)。故この国にシンパシーをかんじるんだろうか。 でもイタリアの蚊に刺される理由はいまだよくわかってません(苦笑)

刺されたところにイタリアの友人ANGが塗ってくれた薬でさらに腫れ上がったタナべ

陣内秀信先生

 先日 なんと! 陣内先生とお食事をさせていただきました。




陣内先生は というと、、
法政大学建築学科の都市歴史の教授で、イタリアをはじめ地中海の海洋都市を主に研究されている イタリアがお好きな方は必ずご存知の先生です。 著書も多く、(都市のルネッサンス、南イタリアへ! などなど)またNHKなどにも数多く出演されている先生。先生とは建築家協会の地域支部で 何度かお会いしたことがあり、去年のNHK”探検ロマン世界遺産”の取材協力で紹介いただいた方でもあります。

 この8月 先生はモノポリという アルベロベッロから車で20分ほどの海辺の町を研究室の生徒さん達と研究されているとの事、”ぜひ一緒にお食事を!”とお願いしたところ、本当に誘っていただきました!



 先生は大のイタリア好き。建築 歴史 料理 なんでもご存知の先生。モノポリの旧市街の 小さくて素敵なトラットリア(気軽なレストラン)に連れていっていただき、写真のようなカジキマグロのリングイネ(平たいスパゲッティ)やエビのグリルなどをいただきました。目の前に座ってらっしゃる先生と夢のような食事をすることができました。

 夏場のイタリアでの研究活動は 私の想像しているよりも大変そうで、旧市街の住宅や教会などをひとつひとつ測量し、年代を調べ、なまりの強い南イタリア人からいろいろな話を聞く という 気が遠くなるような研究。これを日本に持ち帰り さらに報告書に仕上げていく。 大変だあ

 超多忙の先生とこうやってイタリアで会食できるのは 本当に夢のようで この夜も相変わらずお酒が進むのでした。

午前3時帰宅 

150年前の邸宅がレストランとして復活!修復技術の底力

私が昨年の10月からここ アルベロベッロに来て、ずうっと見てきた現場があります。
それは、アルベロベッロのちょっと郊外にある元邸宅の修復現場です。

 これは300年前のトゥルッロ3,4個がくっついた古い農家と それに隣接して建てられた150年前の邸宅。昨年10月には”人が住めるのか?”と思うほど、ボロボロの状態でした。これを”レストラン兼オーナー住宅にする”というので、本当にできるのかどうか 半信半疑でした。
 実はこの建物、地元の建築家に依頼しても ”構造に安心できない”、”トゥルッロを安全に穴を開けることができるか わからない”などの問題点があって 全員お手上げ状態。
 そこで オーナーのフランチェスコと 我師匠ニーノが手を組み”建築家なしのプロジェクト”となった 非常に特殊な現場でもありました。

 現場は慎重に適切に 時には大決断をして進みました。



これは150年前の建物部分。ボロボロですが、屋根の石積み(ヴォールト といいます)はとても綺麗に残されており、まだまだ使える。中の安全でない石を慎重に取り除き、後から新しい石をはめ込んだり石灰でかためたりしながら補修していきます。



 300年前のトゥルッロと150年前の建物が隣接している部分で ここに穴を開けて客席をつなげたい! という理由から トゥルッロの壁の一部を壊しているところ。師匠ニーノはトゥルッロを愛しているので、この破壊には涙すら見せながら壊していきました。



 建物修復中の内部。だいぶできてきました。この奥には わざわざ掘り起こして厨房を増築しました。既存建物の際まで掘るので 本当に慎重な掘削! 師匠ニーノの経験と勘で進めますが、本当に何も問題なく工事が進むので吃驚 です。。恐縮します

さて こんな感じで工事は6月の突貫工事を乗り越え 無事完成!
7月には盛大なオープニングパーティーが開かれました。
私と妻Kも呼んでいただき、大変光栄でした。





 で 完成するとこんな感じです。家具や照明は オーナーのセンスで選び、なかなかのものです。カウンターの石は 南プーリアのレッチェから取り寄せた一枚石。
 ボロボロだったトゥルッリの中も綺麗な客間となりました。



 彼らが師匠ニーノチーム。 盛大なオープニングパーティーをニコニコしながら眺める師匠の目には 満たされたものを感じました。 建築をする、特に難しい修復は 大変な労力ですが、その後の達成感は格別なものです。
 私にとってもこの現場は、石積建築の修復という日本人にとって特殊な現場を見させていただいたので 本当に格別な現場となりました。8ヶ月間 ニーノありがとう!
 
 さて、問題の味は というと、 めちゃくちゃうまい!!です。
特にピザ、これはおそらく随分食べ歩いたアルベロベッロのレストランの中でも最高においしいです。 ナポリのピッツェリアよりもうまいかも と思うほど。
 前菜もセコンドも いわゆる”プーリア州の田舎料理”ではなく、上品な味、盛り付けで 本当に素敵なレストランです。値段は というと びっくりするほど高くない!これもありがたいです。ちなみにひとりランチで
前菜1品 パスタかピザ1品 セコンド1品 コーヒー デザート 水500cc ワイン500cc で全部込みで 18ユーロ (2600円くらい)

もしアルベロベッロの行かれる方がいらっしゃったら どうぞ行って見てください。

Fidelio
Contrada Popoleto, 12-s.s.172dei Trulli
Tel 0804321758
インターネットサイト まだ準備中だそうです。

駅から歩いて15分くらい歩いた県道沿いです。
支配人 フランチェスコ
ちなみに”アツシ”といえば 通じます。 友達です。

本当に素晴らしい経験をさせてもらい ありがとうございました。祈 御繁盛!





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