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生活創造建築家 タナベアツシのブログ 2006年11月

石の土地に藁の家!?

この滞在で 石の建築をいやというほど見てきましたタナベ。
でもひとつ、特殊で面白い家をひとつ見てきました。



藁の家。

このお家、アルベロベッロから50KMほど離れたコンヴェルサーノ(CONVERSANO)という町に住んでいるY子さんの新居となります。
彼女は神奈川県出身海育ちです。しかし自然環境にこだわるとても柔らかな人です。イタリア人の建築系職人とご結婚、1児の母+2人目御懐妊中(おめでとう!)です。



 彼女の夢であった自然素材のおうち、それは藁をブロック状にして積み上げる藁のおうちです。


 藁は農家でほぼ無料同然で買い占めた藁を圧縮し、ブロックを作ります。これをワイヤで結んで作ります。

 その上から石灰を塗り重ね、固めていくそうです。
しかも旦那さんと2人でほぼ全て手作り! ってすごいですよねえ。 



 部屋はワンルームで リビングダイニング 暖炉のほか ベッドコーナーがあるそうです。 なんだかわくわくしますね。

”え 火事は大丈夫?” ”雨の心配は?”
そう いろいろあると思うのですが、すごい災害以外はしのげるそうです。 海抜も低く アルベロよりも気温も高いし零下になることのないCONVERSANO。
 キッチンは外に作られていて、井戸も近くに掘っていました。すごい徹底ぶりですよね!
 私たちの帰国直前に外壁が綺麗にできた といってますので きっと今頃は住み始めているのでしょう。 
 早く見に行きたいです。東京では絶対にできないエコロジカル住宅。すこしでもこのコンセプトを近づけて 素直なエコロジカル住宅を考案したいものです。

 実はこの藁の家 日本にも メキシコにもあるそうですよ。


機械空調設備に無駄に投資したくないタナベ


崩壊トゥルッロ!

またまたご無沙汰してしまいました。

日本から旅行で遊びに来てもらった友人知人に、
”屋根はどうやってもっているの?”とよく聞かれました。
”積んでいるだけだよ” と説明しますが、あの重い石がどうして何百年もそのままでいられるか 不思議ですよね。

とんがり屋根には秘密があります。

バームクーヘンの積み重ねのようなものです。
上から見ると台形にカットされた石灰岩を水平に積んでいき、輪にしていきます。
 その上に少し小さな半径の同じ輪を作り 載せていきます。
その繰り返しです。
 つまり アーチ構造のように型枠は必要ないし上から安全に崩せていけます。




これは農地に建っている300年ほど前のトゥルッロ。

この裏は


 
こんなになっています!
崩れている! でもなんとか建っている。!
写真をみると よーく見ると、水平に石が載せられているんです。この層 らせんのようになっているのではなく、バームクーヘン状(輪状)の石でできているのがよくわかりますね 屋根材はその外側にきれいに重ねています。
これが成立するには ある条件が必要です。

1 石灰岩のブロックがある程度大きくて 重いこと
重力で下の層を押すことで、石灰岩同士の摩擦が生まれ 水平に動きづらくなります。石の厚さはだいたい30cmくらいが標準。

2 地震が少ないこと。
石と石との水平摩擦よりも大きな横揺れが起きると崩れます。

3 基礎が岩盤の上でないこと。
これはびっくり。! 石灰岩盤の直上に建てると、地震などの揺れがそのまま伝わるので、岩盤が割れている土地に建てる
免震構造みたいですね




これは別のトゥルッロですが、これも壊れてます。
なぜこの二つのトゥルッロが壊れたか

1 石が通常のものより薄くて軽かった
 そう、内側の石が まるで屋根材を同じくらいの厚さしかありませんね。これでは力が安定して伝わらない。

2 積み方が甘かった
 これ、よくあるんです。さすがイタリア人!

などが考えられます
ここまで壊れると逆に安全に解体できません。近づかずに今のままにしておくか 縄張って重機で壊すしかありません。

でも昔から地盤の割れたところを選んで建てた というのは 本当に面白い。いくらプーリアといっても地球上。いつかは地震がくるんですよね。
 
 でも昔の人はよく考えたもんですよね。セメントもモルタルももちろん鉄筋も使わず、
積める 崩せる 建て直せる この3つをたった一つの材料でやっちゃうんですから。


今度は壊さずにリフォームできるトゥルッロをお見せします。



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