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生活創造建築家 タナベアツシのブログ

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日本建築の授業 やってきました

大学から 3時間前に無事帰還いたしました。。

ぐったり疲れました。 が 充実したものを久々に感じました。

日本の木造建築の授業をする!(しかも授業料を払ってボランティア!?)

まあでも 自分自身 外国人に自国の建築技術をイタリア語で説明する! というのは ひとつの挑戦でもあったので けっこういろいろ考えて 楽しく準備をしてきておりました。
(なにも毎日飲んだくれているわけではありません! 笑)

 午前10時30分から授業で 私の番は11時30分ごろからでした。
 いつもはOHPですが、OHP用のシートをコピーする環境がないのでpowerpointで説明することに。 つまり プロジェクターが必要で 前々日に予約。(大学機材は 予約が必要です)



 木造の授業 といっても 木材はイタリアでも日本でも同じ。
ただ、構造自体が”木”でできている というのは イタリアではあまり というか ほとんどありません。 石積か鉄筋コンクリートが主です。我々の木造建築は 彼らにとって脅威です。 奈良の寺社などは1200年も前のものが現存するのですから。”木造だと せいぜい50年くらいでしょ?”という 彼らの想像を絶するものが日本にはたくさんあります。(自信!)

 私が用意したのは次の通り。

1 針葉樹と広葉樹の違いと 使い分け
2 1間 1尺 という 日本独特の単位と その使い方
3 各パーツ(土台 柱 屋根など)の作り方
4 木材同士の接合部の伝統的技術(継手仕口 といいます 釘を使わないで木材同士を接合していく日本独特の技術)
5 日本の木造建築の歴史(奈良時代から現在まで)を写真などで おおまかに追っていくもの

とくにびっくりされたのは、



障子



お祭りの際に 柱の間いっぱい 開口部になってしまう建物

内部なのに 外部のような使い方のできる町屋や農家の建物

実はこのような日本の技術は 西洋の現代建築の基礎(ル コルビジェというフランスの巨匠建築家や イタリアのカルロスカルパというすばらしい建築家 ブルーノタウトという日本の数奇屋を研究していたドイツの建築家などにとても影響を与えています)になっていたこと 

1200年前の木造が きちんと現存していること

などでした。


 とりあえず 1時間25分 なれないイタリア語で アシスタントの皆さまに支えられながら しゃべくり倒すことができました。 一応 拍手もいただき。。(照)

 日本でも教鞭をとったことのない私。
今日ほど 教壇と生徒の席との距離を遠く感じたことはありませんでしたよ。

 でも
”このパワーポイントのファイル よかったらコピー してください”と言った瞬間、行列ができたのは 私にとって喜びとしか言いようがありませんでした。
 それほど、我々日本人の素晴らしい技術は 国際的に浸透していない ということでしょう か

そこで 少し思ったのは 北野武監督や 宮崎駿監督、坂本龍一の存在。 イタリア人でも だれでも知っています。(若い人限定ですが。。)

建築の世界でも 料理の世界でも 我々の素晴らしい技術や伝統を もっといろんな国の人たちに 見てもらいたいと思いました。もっとも建築学科の学生は 安藤忠雄や 磯崎先生、丹下健三先生などの日本人建築家の名前はよく知っているようですが。
 でも伝統的な技術は ”建築家”が作ったものではなくて 生活の中で培ってきた経験的技術。 これを理解しなければ 現代建築の知識だけでは 本当に価値のある建物はできないなあ と 思うんです。

 つまり 私達が 日本を 日本人の生活を もっとよく知る! ということ なのかもしれません。
 それは人間として どうやって心地良くお互い生きていくか ということの整理に役立つかもしれません。

 今回の日本建築の授業は 完璧ではありませんでした。 でも きっと 聞いてくれた学生は ”何か”を感じてくれた と信じています。

イタリアに来て 半年たちました。
ここで感じるのは、イタリアもすごいですが、日本も 捨てたものではない ということ。
 しっかり90分もの授業を 飽きずに 静かに聴いてくれたイタリアの学生に 感謝!!


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