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アルベロ含む周辺の町が白い町を作った本当の理由その一

白い街 アルベロベッロ。
以前、アルベロベッロが役場の努力のもと なんとかキレイな”白い街”を築きあげてきたことを紹介しました。

 この白さは 実はアルベロベッロだけではなく、隣町のロコロトンド、その隣チステルニーノ、そのまた隣のオストゥーニ と 周辺は白い街だらけ。

なぜ白いか?


1 石灰岩が採れて 石灰(つまり日本でいう 漆喰)がよく生産されているため

2 この石灰は安い(日本は高い!)

3 この石灰を塗ると、夏の日差しを反射し、室内の気温を低いままに維持することができる

だいたいこんな感じですか。

土着的な建築はいつも”いまここにある材料で建物を作らないと 生命に関わる!” という切羽詰った状態でできた建物であります。この地には石灰岩という最適な建築材料が地面に埋もれていたのですね。

特に3 の理由。!最近実感。。 ここ暑くて暑くて もうたまりません。 今日は38度だったそうです(!) 




これは二つとなりのチステルニーノです。
白いですね。 道幅は約3mから5m。 でも道いっぱいに建物が建っております。高さはおよそ12mから15m。
冬は”日差しが入らなくて 寒い!” と思っておりましたが、夏に近くなると 実に快適。
 そうです。直射日光がさえぎられる のですね。
 日光によるエネルギーは 夏場は
朝と夕方の 日が低い時間に壁(東側と西側)を暑くし、
冬場は正午近くに南の壁を暑くします。

 つまり 道幅が狭く、建物がそれよりも高く設定されると 夏場の夕日や朝日を建物の壁に直接照らさなくてすみます。

 間違いなく、夏場のことを考えております。

 実は日本の民家も夏場のことを考えています。
 日本の場合は 湿気対策、通風対策です。床が1/4間(45cm)上がっていること、雨風を避ける 日光を避けるため 必ず軒があります。東西に長く、南北に短い つまり”壁を暖めない構造”になっています。
 民家が夏場の事を考えて建築しなくてはいけないのは、食料を腐らせることなく 他の生物から守ったりしなくてはならないことも理由のひとつでしょう。
 冬場の寒さは暖炉でなんとかなりますが、夏の暑さはどうしようもない。。

 石積みであるトゥルッロはこの室内と室外の温度差は 壁の厚さ(石積の構造自体ですが)によって大きく左右されます。
 トゥルッロなんか、平均の壁厚さは80cmほどあります。この石の厚さが エネルギーを吸収してくれるのです。つまり”熱しにくく 冷めにくい”。白く塗ると エネルギーは反射するので 石に吸収されにくくなります。つまり室内は快適。

 でも アルベロベッロのトゥルッリが白いこと、いや白くいられること、それを今でも維持していることに 特別な理由があるんです。
これは歴史的、政治的な問題。



次回に続く。

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