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キッチンをよく見る! イタリアでの経験を生かそう

 私は主に住宅の設計をしている建築家ですが、イタリアにそもそも留学しようと考えたのは 建物の修復の勉強もさることながら、
人のための家づくり”を再認識する 一から人の生活を見直してデザインをご提供したい という目標がありました。

 今回は特に先日のゆうこりんオレキエッテのこともあるので、キッチンに絞って書いてみます。

 人はキッチンでどう動くのか。
 人が食事を通してどのようなコミュニケーションを作っていくのか。
 食材から食事に変わるその瞬間 どのような行動をし、どのようなスペースが必要か。

 こんなことを実際イタリアでの生活を基に経験してきました。
 実際私も調理をするので(何年も前から 妻Kの指導のもと 脱!男の料理 を目指しています 笑)、イタリアの家庭でも5家庭のキッチンに立たせていただいたこともあります。

たとえばこんな写真。



 これはニネッタママの妹 ニーナおばさんの家族のお家。去年復活祭にてホームパーティーをしたときです。アドリア海の海辺ですので、魚介類が得意。
 ニネッタママはたくさんの袋に食材(アルベロベッロ=丘=肉野菜)をつめ 持ち寄ります。
 この姉妹、二人とも料理には自信がありますが、二人の料理の系統は全く別物。 これをひとつのキッチンでどう裁くか 見ものでした。

 プライドとプライドの勝負。お互いの距離を持ち、なんとなくテリトリーがわかれ、その間に息子 ヴィンチェンツォが雰囲気をつなぐ という配置に。
 嫁のマルゲリータはバランスよく”二人の姑”に仕えます。

 どこも同じだー 笑 イタリアのキッチンにも”社会”があるんです。(当たり前か)

 コンロはニーナおばさんのもの。ニネッタはこの日 サラダを担当。
 そしてなんとなく食卓ができちゃういんですねー 
 私がここでみたことは、
パーティー時に二人以上のシェフがひとつのキッチンに立つ際 どういうスペースが必要か”をじっくりチェックしていました。 具体的な寸法は 今後の自身の設計に使わせていただきます。



 で これは アルベロベッロ郊外のニネッタママの別荘での釜です。 釜は男性が担当。 息子とおじさんがやります。
 今度は”粉をまとめる息子”と”それを焼くおじさん”と持ち主であるニーノパパの指示。この3人が2.5畳程度の小さなスペースで瞬く間にピザが焼きあがる! ここでは 男性の立ち位置と最低寸法、高さ 人間の動きなど、チェックできました。皆さんもピザ釜、いかがですか?



 実際食べるとき。サラダやパスタは座って食べます。
 ピザや食後のお菓子などは立って食べる。お酒もまわってうろうろする。座って食べていた時話せなかった人たちとコミュニケーションを取る。その動きやスペースも 絶妙なものがあるんですね。 
 イタリアはホームパーティーが多いので、ことパーティーに関してはまだまだ学ぶことも多いですね。

 日本に帰国してキッチンのデザインをすると、イタリアでの経験は意外にもすぐに役立ちました。
 美しく見せるキッチン だけではなく、使いやすく 片付けやすく 過剰なスペースでなく 狭すぎず。。 安全で効率の良いキッチン。食材の調達から保存庫(パントリー)の配置、冷蔵庫の配置、それをどう処理して ゴミを捨て 煮て焼いて。。 などなどを整理することで、より的確にデザインできるようになったと実感しています。
 食べる という本能から、人とのコミュニケーションも生むことのできる”食空間”。奥が深そうです。




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