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南イタリアのスローライフ
建築修復の仕事
原風景を大切にする
家具やファブリックの購入に、いま一歩踏み出せない・・そんな方にお薦めです。
 
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The simplest, the most natural, the truly functional, the most direct and the most economical only, is truly divinely beautiful.

(最も簡潔にして直截、機能的にして経済的、かつ 自然なるもののみが真に完き美を 有する。)
建築家 アントニン・レーモンド



 これは私が以前勤めていたレーモンド事務所主宰 故アントニン・レーモンド氏の言葉、私の座右の銘です。

 私はこの教えから、常に”本物のたてものとはなにか?”という問いを考えております。
 たてものを建てるという行為は、”たてものを建てたい”、”思い描いている理想的な生活をしたい”という強い思いなくしては存在しないものです。
 建築家はたてもののデザインをします。しかしそれだけではありません。
 何のためにデザインするのか?
 それはそれぞれ個性のある家族の命と生活を守るためだと思います。
 とても単純なことですが、とても大切なことです。
 予算や期間のことばかりを考えてデザインすると、あまり満足のいく空間にはなりません。逆に理想的な空間ばかりに目が行くと、予算がオーバーして日々の暮らしを圧迫しかねません。また、デザイナーよがりのデザインが先行し、そこに家族を押し込めては何の意味もありません。
 一つ一つの家族のかたちは違います。一人一人の人間が 快適に住めるような暮らし、それを総合的に見極めることが大切です。
 ”一つ一つの家族のかたち”のためにバランスよくデザインされたものは、使いやすく、住んでいて楽しい空間になります。結果的に、家族は家を大事にし、使い込んで良くことで町の風景へとつながっていきます。

 私は2006年に南イタリアで生活をしてきました。そこには日本人が忘れていた、とても大切な時間が流れていました。懐かしい時間でした。
 彼らは400年前に建てられた石造りの民家に住んでいますが、どの家も綺麗に整理が行き届いていて、民家に対する誇りと愛着を感じました。民家一つ一つはすごくデザインが優れているわけではないのですが、その誇りと愛着から来る町全体の風景というものを強く感じました。
 良い風景は建物のデザインから出ているのではない。そこに住む人の愛着と誇りからにじみ出てくるものだと思います。
 私はイタリアに行き、ここに気づいてから、主に住宅の建築家になろうと決意を新たにいたしました。

 建築家のデザインは住みにくくて高い、と思い込んでいませんか?
 私はそういう自分の作品を作るような”デザイン先行”建築家にはなりたくありません。
 ハウスメーカーの住宅も結局は高くついてしまう昨今、建築家のデザインは全てのコストコントロールが可能ですので、一概に”建築家の住宅は高い”とは言えません。常に気軽に相談していただける、町医者的な住宅建築家でありたいと思います。
 私は建築家として、お住まいの方から滲み出てくるような生活の風景を少しでも創りたい、そして一つ一つの家族のかたちを実現して一人でも多くの方に快適に暮らしていただきたい、常にそう願っております。